先日、WindowsでLive CDみたいなのがつくれないのかというようなことをネタにエントリーを一つ書いたが、その関係で検索をしていたときだと思う、妙な噂を目にした。なんでも、1枚のCDからLinux(Puppy)、Windwos(XPと98)、そしてDOS(Free DOS)の全てを立ち上げることができるCDがあるというのである。調べてみると、このCDからブートすれば、Windows 98、Windwos XP、Free DOS、Puppy Linuxを選択するGUIが現れる、Windowsを選ぶとWindows(98またはXP)のインストールが始まり、DOSを選ぶとDOSのコマンド画面が立ち上がって、さまざまなユーティリティが使えるようになり、Puppyを選ぶとPuppyをCDから立ち上げたのと同じ状態になる、ということらしい。つまり、WindowsのLive CDというのとはちがうが、Windows 98のインストールCDとXPのインストールCD、DOSのレスキュー用CD、PuppyのLive CDの4つが1枚のCDに納められているという、まるでスイス・アーミーナイフのようなブート用CDであるということ。これはこれで、凄いと思う。どの程度凄いのかはシロウトである私にはわからないが、ネットワークからのダウンロードなどを必要とせず、必要なファイルを全て700MBに納めているというのだから、圧縮技術だけでもたいしたものなのではないだろうか。

ただし、この怪しげな噂のCD、もしも入手できたとしても使うわけにはいかない。なぜなら、これは考えるまでもなく明らかに、Microsoftのライセンス条項に違反しているからだ。PuppyやFree DOSで起動するのはともかく、Windows関連はどうみても違法コピーである。だから、いくら凄いCDでも、闇の世界でしか通用しない。噂も、どことなく頼りなげである。

もしも仮にWindowsがオープンソースのプログラムだったらどうだろう。こういうスイス・アーミーナイフのようなツールを開発し、配布すれば、けっこう人気が出るのではないだろうか。そして、肥大化してしまってCD1枚には収まりきらなくなったディストリビューションなどで、それでもCDを使いたいときなどに応用例がどんどん生まれるのではないだろうか。

ところが、本来なら技術の進歩に大きく寄与するであろうハッキングが、実際にはダーティな海賊行為ということになってしまう。おおっぴらに開発状況やソースを公開することもできないだろう。そして、そういった情報がなければ、せっかく開発してもその蓄積は失われるか古びてしまうだけ。そういうふうに思ったら、オープンソースではないということ、つまり、ソフトウェアのライセンスで稼ぐというビジネスモデルは、技術の進歩を大きく阻害しているのかもしれないというふうに思えてきた。

まあ、そこまで大上段に構えるべきでもないのかもしれない。実際、こういう違法CDをつくろうという動機そのものが、Windowsの自由な配布がライセンスで禁じられているということに端を発しているのだということを思えば、一概にそうとばかりはいえないのかもしれないなあ、とも思う。禁止されているから、それを迂回しようとして新しい技術の芽が生えるということもあるだろうし。なにより、技術的なことにシロウトの私には、想像でしかものが言えないのだし。

いずれにせよ、この噂のスイス・アーミーナイフは使えない。違法コピーだから。幸いにして、私は違法コピーなんか不要のLinuxを使わせてもらえるのだしね。