相変わらずInspiron mini 12で苦戦しているのだが、基本的にはpsbドライバが使えないという問題に終始している。たかが表示の問題だけで、別に映画を見るわけじゃないからいいさと当初は割り切って9.04に落ち着いたつもりだったのだが、けっこう根が深いことがわかってきた。
このInspiron mini 12はインテルのAtomで動いている。ところがAtomと一口に言っても、nシリーズとzシリーズがある。多くのネットブックはnシリーズなのに、このmini12はzシリーズ。
で、この2種類の違いは、まあ専門的なことはいろいろあるみたいなのだけれど、肝心なのはzシリーズがPoulsboとの組み合わせで作動するということ。このPoulsboの性能がいいのでメリットがあるようなのだが、現実としてはドライバがなければ宝の持ち腐れ、むしろきちんとドライバが作動するnシリーズに劣ることになる。ではドライバがあるWindowsで使うのがいいのかということになるが、このPoulsbは、仕様上メモリが1Gに制限されているらしい(よくInspiron mini 12のメモリを増設できないのか→ハードウェア上できません、というような話を見かけるが、そういう仕様なのでどうあがいても無理ということらしい)。つまり、WindowsでもVistaは快適に動かない。
ということは、ハードウェアの性能を完全に引き出そうというのであれば、 Windows XPか、Linuxならlpia版ということになる。私の場合、Linuxを使いたいからlpia版が適当ということになる。しかし、以前の記事で書いたように、lpia版は(あちこちにリポジトリが用意されている割には)素人がうまくインストールできるものではない。だからlpia版は諦めて、通常版の9.04を使おうとしてきたわけだ。
ところが、実際に通常版の9.04を使っていて、だんだんと不具合を感じるようになってきた。各所の記事によると、lpia版はAtomに最適化されており、省電力性能は「10%強」改善されているということだ。けれど、実際に使った感覚では、「体感できるほどの差はない」という。確かに私も、当初は「大差ないんじゃないかな」と思っていた。だったら安定して使えてしかも最新版である9.04 Jauntyを使いたいと思ったわけだが、使っているとやっぱりおかしい。おそらくこれはCPUそのものの動作の違いではない。だから作業によっては「体感できるほどの差はない」のだけれど、ときには「あれれ」と思うことになる。
具体的には、ときどきレスポンスが悪くなる。これはCPUの性能が低くて処理に時間がかかるということもあるのかもしれないが、それ以上にディスプレイの反応が遅いため、見掛け上、反応が遅くなっているような気がする。いくら見掛け上といっても、人間の方はディスプレイを見てレスポンスを返すわけだから、man-machineシステム全体としては、これは処理速度の低下を招くことになる。
そして、ときどきフリーズする。クリックしようがどうしようが、何の反応もしなくなるわけだ。こんなときに唯一反応するのは電源ボタンで、これを押すとシャットダウンのダイアログが出る。すると、不思議なことに入力デバイスからの信号が通るようになる。そこでおもむろにキャンセルを押すと、さきほどフリーズした時点から作業を再開できることになる。まあ、こんな奇妙なコツさえつかめば問題なく使えるといってもかまわないのだけれど、やっぱり作業中に電源ボタンを押すのは嬉しいことではない。一度など、キャンセルしそこねて再起動してしまった。これではやっぱり困る。おそらくこの不具合も、ビデオドライバの関係ではなかろうかと思う。プログラムが暴走してフリーズになっているのではなく、単純に入力デバイスからの信号がGUIと連動しなくなってしまっているような感じがするからだ。
だんだんとpsbドライバの重要性がわかってきた。単純に動画がきれいに再生できるとか画面の解像度がぴったり合うとかいった問題だけではない。それらももちろん重要かもしれないが、それ以上に、全体のパフォーマンスの足ををディスプレイの再生能力の低下が引っぱっている。テキスト入力ぐらいの作業ならほとんど不具合は感じないが、FirefoxやThunderbirdを併用していたり、ましてOpenOfficeを使っていたりしたらしょっちゅう引っかかる感じになる。これでは仕事でばりばり使えない。
このことを痛感したのは、8.04.2の通常版をインストールしたときだった。先のエントリでも書いたように、これは魔法のall_generic_ideでインストールできるのだが、psbドライバがlpia対応でないせいか解像度が選択できず、9.04同様に横長の画面表示になってしまう。だから「使う意味はないな」と思ったのだが、試しに動画を再生してみると、きれいに再生できる。そして9.04で頻繁に発生した「引っかかる感じ」や「電源ボタンで逃げ出すフリーズ」も発生しない(短時間の試用だったので確実にはいえないが) 。つまり、通常版でさえ、psbドライバが存在することでパフォーマンスがかなり改善されるわけだ。だとしたらもう、psbドライバがもっとも完全に使えるlpia版を使わない手はないではないか。
そして、素人レベルでlpia版のUbuntuを使おうと思ったら、Dell版のUbuntuプリインストールマシン添付のディスクを使うか、Ubuntu Mobile Edition(UME)を使うしか選択肢はない。そして、Dell版の再インストールディスクは、そこらに転がっているものではない(せめてフリーな部分だけでも公開してくれたらいいのにと思う。誰か、プリインストールマシンを買った人が自主的にやってくれないだろうか。特に法律上の問題はないと思うのだけれど)。となると、私にはUMEしかないわけだ。
長い話になったが、結局、消去法でいくと、残るのはUMEしかないということになる。しかし、UMEは以前にも書いたように、もっと小さなモバイルデバイスを念頭に開発されていて、mini 12のようにほとんどデスクノートと大差ないようなマシンにはおせじにもピッタリとは言い難い。これを使いやすい環境に飼い慣らすのは一苦労だった。せっかくの連休、ほとんどこの作業に潰したといってもいい。ようやく現在、UME上で安定して稼働できそうな環境から書いているのだが、その顛末は次の記事に書くことにしよう。とにかく、こちらも長い、長い話になるはずだから。