ベクター・ドローイングソフトであるInkscapeには以前から注目していたが、試す機会がなかった。iBookの頃には、試しにちょっと立ち上げてみ たぐらいで、本格的に使ったことはなかった。ほとんど使っていないからepsファイルを読み込む方法があることも知らず、epsが使えないからと、ますま す使う気にならなかった。まあ、必要がなかったからというのが最大の理由。
それが、久々にグラフィックなデータをPDFで仕上げなければならないことになった。簡単なイラストも付けたいが、時間も予算もないから適当な写真を下絵 にしてトレースしてごまかしてしまおう。そう思ったら、やっぱりベクタードローイングソフトを使いたくなってInkscapeを立ち上げた。
実は、Dellに移ってから改めてインストールしたInkscape、epsファイルに対応できるようになっている。これは、ほかのアプリケーションをイ ンストールした際にImageMagicをインストールするように指示され、それに従ってインストールしていたせいではないかと思う。確証はないのだが、 ともかくも、以前には確かできなかったはずのAdobe Illustratorのデータの読み書きができるようになっている。これは嬉しい。まあ、今回はPDF仕上げで、epsデータは直接不要なのだが。
ともかくも、ネットで適当にダウンロードした写真を保存し、下絵として取り込んでやる。著作権を侵害しないように、写真の段階で多少変形しておく。それか ら、下絵だから濃度を薄くしてやって、レイヤーを変えて、上からブラシでトレース。下絵を自動でアウトラインに変換する機能もIllustrator同様 にあるが、これを使ってうまくいった試しがない。きれいな図にしようと思ったら、たいていはかえって手間がかかってしまうからだ。
色や明るさを指定したり、透明度を変えたり、太さを調整したり、ぼかしたり、いろいろとやったら1時間ぐらいでけっこう満足のいくイラストが描けた。絵心のない私だから、クォリティは高くはない。ま、この程度の仕事には、この程度のもので十分。
そこから、ほかのパーツを組み込んだり文字を入力して全体を整えたのだが、文字は日本語もちゃんと対応してくれていた。ただし、インラインの入力はできな い。それから、文字組の細かい指定はまったくできないから、Illustratorのように端物をこれで組んでしまうということは無理だろう。レイアウト ソフト的な使い方はできない。このあたり、難点といえば難点かも知れない。
しかし、それを除けば、かえってIllustratorよりも使い易かった。私はデザイナーではないので、Illustratorはごくたまにしか触らな い。だから、デザイナーが使う魔法のような早業は到底真似できない。ショートカットなんかもよく知らない。そんな私だからなのだろう、Inkscapeは ずっと感覚的に「ピシッと」使えるような気がした。もうちょっと本格的な仕事も、これを使ってやってみたい気がしてきた。ま、あんまり不得意分野には手を 出さない方が身のためなんだけど。