現在ではすっかりそういう仕事から離れてしまったが、もともと私の本業は編集屋である。編集屋としての修行を始めたのは写真植字の全盛期で、まだ活版さえ一部に残っていた時代だ。だから、編集=レイアウト=DTPみたいな感じで受け止められることの多い現代の編集屋事情にはちょっと違和感がある。違和感はあるが、実際にDTPの草分けの時代からそれにつきあってきたという自負はある。DTPの進化の方向性とそれが本づくりにもたらした功罪に関して、たぶん酔っ払ったらいくらでも喋ってしまうだろう。
とにもかくにも、本格的にDTPの仕事をしなくなってもう何年もたつが、それでもいまだに道具としてのDTPソフトは常に手もとにおいておきたい気持ちがある。具体的には3種の神器であるPhotoshop、Illustrator、Quark Expressだが、つまりこれは画像処理、ベクターグラフィック、レイアウトソフトであって、似たような機能ならブランドにはこだわらない。LinuxではPhotoshopの代わりにGimpがあるし、IllustratorよりはInkscapeの方が(部分的には)優れているのではないかとさえ思っている。しかし、Quark(またはInDesign)の代用になるソフトがないのが悔しかった。ちょっとした用ならしかたなしにOpenOfficeで間に合わせてきたが、これは作業効率からいっても機能からいってもレイアウトソフトとしてはとてもとても、という存在でしかなかった。
だから、Linux上のレイアウトソフト定番と目されるScribusには注目してきた。けれど、私がLinuxを使い始めた2年前には、日本語入力ができなかった。これでは日本語レイアウトソフトとしては使えない。英語圏では実用の域に達しているとは聞いても、こちらにはこちらの事情があるわけだ。
それでも、その後、ことあるごとに最新版のチェックを繰り返してきた。パッチのようなものがWebにアップされているのを見つけたときもあったし、いろいろと追加インストールをすると少しマシになったこともあった。この春にチェックしたときには、デフォルトで日本語が少し通るようになっていた。それでも、入力中に異常終了してしまうというバグが消えず、使い物になるレベルからは遠かった。 More …
2 Comments »